スキルアップ

ハローワークの職業訓練で学ぶWebデザイン

今回の来訪者は、マシニングセンタオペレータだったSさん30歳。2020年末に退職し、冬期間からハローワークの職業訓練に通っているらしい。

訓練内容はWebデザイン。起業するらしい。今までは独学でWebの勉強をしていたが、どうしても行き詰まってしまうとのこと。片道2時間以上の冬の雪道を運転してでも、現役のWebデザイナーの講師に直接習いたかった。

訓練概要

ハローワークの職業訓練は、再就職のための職業訓練で、その内容は多岐にわたる。

資格を取るための訓練(簿記、医療事務、介護福祉士、保育士、宅地建物取引主任者、FPなど)、PCスキルを身につける訓練(ワード・エクセル、Web、プログラミング言語など)、製造現場での生産スキルを身につける訓練(溶接、旋盤、CAD、電気工事など)さまざまな方面の訓練がある。

授業料無料、自己負担はテキスト代1万数千円と交通費のガソリン代程度。格安と思われる。

ハローワークの職業訓練には2つの制度がある先日Webデザインの職業訓練を受講している若者の話を聞いて、地元のハローワークで調べてみました。ハローワークで職業訓練の受講を考えていら...

 

以下、彼が実際に受けたWebデザインコースの概略を見てみる。

訓練期間

職業訓練期間は4カ月間。平日9時から4時まで。その後も自主学習可。

訓練目的

Webサイト制作の基本を学び、基礎力のある技術を習得します。情報セキュリティやWebサイト制作に関する訓練で身に付けた技能を活かし、業界を問わず企業のWebサイトの運営・管理などの広範囲に対応できる即戦力のある人材の育成を目標とし、就職に結びつけます。

めあて

Web サイトのデザイン ・ 構築の技術を習得し、具体化する知識を学びます。Web サイトの基礎から CMS を使用したサイトを作成する事で幅広い知識と技術を習得します。

訓練終了後に取得できる資格

(Web クリエイター能力認定試験 スタンダード)認定機関(サーティファイ)

学科

サイト構築概論:6時間

サイト制作環境構築、Web 及び IT 技術の概要、サイト分析における各種ツール、著作物の保護、Web 上の表記ルール、ブラウザの種類

サイトデザイン:6時間

ターゲットとデザインの関係、基本デザイン、Web サイト企画、デザインラフ

Web コンテンツ:8時間

Web コンテンツの種類、Web サイト制作に使用するソフトウェア

情報セキュリティ:12時間

情報セキュリティ対策、標的型攻撃メールの例と見分け方、情報漏えい発生時の対応、
フィッシング詐欺の例と見分け方

実技

画像処理演習:36時間

画像処理の基本操作、解像度の基本、色・画像の補正、画像処理、レイヤーの活用、画像加工、Web 用画像の作成[使用ソフト:GIMP]

HTML/CSS 演習:60時間

HTML/CSS の概要、HTML/CSS の文法、HTML 文書作成、文書の装飾 [使用言語:HTML/CSS]

サイト制作演習:71時間

CSS レイアウト、サイト設計、サイト制作 [使用言語:HTML/CSS]

Web プログラム演習:60時間

変数、関数、配列、条件分岐、ループ処理、イベント処理とオブジェクト操作、DOM、jQuery[使用言語:JavaScript]

サイト制作実習:84時間

サイト素材作成、サイト構築[使用ソフト:GIMP][使用言語:HTML/CSS/JavaScript]

CMS 構築演習:15時間

WordPress 概論、ローカル環境構築、WordPress インストール、データ更新[使用ソフト:WordPress]

これはこれは、WordPressやJavaScriptなどは自分も受けたいぞ。

CMS 制作演習:25時間

テーマの作成、カスタマイズ、プラグイン、テンプレートファイルの作成[使用ソフト:WordPress]

彼の卒業制作を見せてもらった。洋菓子店のオンラインショップを取り上げて、しっかりとHTML/CSSを使って課題を仕上げた模様。

訓練は後半がどうしても駆け足になってしまうらしい。WordPressなどは少し物足りなかったようだ。もっとも受講生たちは意識が高いようで、しっかりと復習をして次の日に備えてくる受講生が多い。

就職について

ハローワークの職業訓練は、再就職のための職業訓練。再就職が義務付けられているのかと思えば、そうでもないらしい。起業でも良いらしい。

この辺では求人がない

Tokyoとは違い、ハローワークにはこの辺ではWebデザインの求人票はない。東北の中核都市にはあるもののそこまで通勤できるかと言われると、そこにかける時間がもったいない。彼は、当初から在宅ワークを考えていた。

在宅ワーク

本人は起業するとのこと。遠距離通勤や引っ越し等についてさまざま悩んだとのことだが、選択したのは在宅ワークというスタイル。職業訓練を受けるかたわらで、サイトを見ては、自分のできる依頼を探している。

まずは、ランサーズやクラウドワ-クスでWordPressやJavaScript系の仕事を受注して、場数を踏みたいらしい。

デザインをベースにWebページをコーディングする(HTMLとCSS)仕事とか既存サイトのWordPress化やWordPressテーマのカスタマイズといった仕事を受けたいらしい。並行して、オンラインスクール等を利用して、PHPやRuby,Pythonといったプログラミング言語もマスターしたいらしい。

彼の選んだ道の先は、決して平たんな道ではないだろうが、是非頑張ってほしい。全国の若手サラリーマンが副業・起業に踏みだす後押しとなってくれますように。

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まとめ

ハローワークの職業訓練は使える。たとえ、スキルの勉強がさわりだけだったとしても、講師の先生は「はい、さよなら」と帰るわけではない。放課後にしっかりマンツーマンの先生として活用しよう。

そして、スキルを磨いて副業・起業の準備をしよう。東北の片田舎でも、起業できるんだという見本になってもらいたい。

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