以前、ハローワークには65歳以上の方の応募できる求人票は見当たらないという内容を書きました。では、実態として65歳以上の雇用者は何人働いていらっしゃるのでしょうか。
65歳以上の雇用者
【厚生労働省「労働力調査年報」/2019年】から抜粋
65歳以上の雇用者は503万人、77.3%は非正規雇用者
65歳以上の役員を除いた雇用者は、男女合わせて503万人です。そのうち、正規雇用者は114万人、非正規雇用者は389万人で、非正規雇用者が全体の77.3%を占めており、女性(82.0%)が男性(73.3%)よりも8.7ポイント高くなっています。
114万人の正規雇用者
114万人の正規雇用者がいることの方が驚き。東京では皆さん正社員で勤務しているということですね。東北の片田舎では信じられません。驚きです。
経緯
65歳以上の役員を除く雇用者は2015年に360万人でしたが、2019年には503万人となり、4年で143万人増加しています。男女別の内訳をみると、男性が73万人、女性が67万人の増加となっています。
役員を除く雇用者(万人) | 正規の職員・従業員(万人) | 非正規の職員・従業員(万人) | 非正規の職員・従業員の割合(%) | |
2015年 | 360 | 93 | 268 | 74.2 |
2016年 | 400 | 99 | 301 | 75.1 |
2017年 | 426 | 109 | 316 | 74.4 |
2018年 | 469 | 111 | 358 | 76.3 |
2019年 | 503 | 114 | 389 | 77.3 |
65歳以上の人口に占める65歳以上労働者の割合
総務省の推計によれば、65歳以上の高齢者人口は2020年9月15日現在、3617万人で、総人口に占める割合は28.7%とのこと。高齢者人口・高齢化率ともに過去最高を更新しています。
13.9%
労働者に占める65歳以上の労働者503万人の割合は、役員を除く雇用者 5,660万人の8.9%。
65歳以上の人口に占める65歳以上の労働者503万人の割合は、3617万人の13.9%。
65歳以上の人口に占める65歳以上の正規雇用者114万人の割合は、3617万人の3.2%。
65歳から69歳までの人は2人に1人が働いている
65歳以上人口だから、油断はならないが、65歳以上の方で働いている方はかなりの人数がいる。65~69歳では48.4%、70以上では17.2%の方が就業している。驚きの事実だ。自分の周りでは決してそんなことはないぞ。東京人恐るべし。
何の仕事をしているのか
主な産業別に高齢就業者の割合を見ると、
- 農業・林業:52.2%(若者がいない分野)
- 不動産業・物品賃貸業:26.4%
- サービス業(他に分類されないもの):22.6%
- 生活関連サービス業・娯楽業:18.2%
- 医療・福祉分野:10.4%
そうか、農業、林業か。介護福祉分野も増えてきている。老健施設でも老々介護なのか。確かに、自分の周りでこの分野の仕事に従事している65歳以上は見当たらない。盲点だった。
働く理由
厚生労働省の「第15回中高年者縦断調査」によると、現在仕事をしている64~73歳の人の仕事をしている理由は、「現在の生活費のため」が最も多く50%を超えています。次いで「健康を維持するため」、「現在の生活費を補うため」となっていますが、「社会とのつながりを維持したいから」、「家にずっといるのは嫌だから」も挙げられています。
一方64~73歳で、現在仕事をしていない人でも全体の16.3%は「仕事をしたい」と希望しており、3.7%の人は仕事探しや開業準備をしています。
仕事をしたいが、何もしていない人については、その理由として「病気・けがのため」、「希望する仕事がありそうにない」、「高齢のため」が多くなっています。
まとめ
65歳以上の労働者は、503万人いて、その主な理由は、「現在の生活費のため」「現在の生活費を補うため」。
決して自分が目指す65歳以上の生活スタイルではないということを再確認した。
やまり、65歳まで稼ぎ口を複数確保しておくことが肝要だ。