商船三井(9104)は、2022年3月期の配当予想を修正し、前期比および前回予想比で「増配」とする予想を、2021年7月30日の12時に発表した。その後の株価高騰は皆さんご存知の通り。
このお祭りはいつまで続くのか考えてみる。
コンテナ運賃は過去最高を記録
商船三井は、2021年4~9月期の連結経常利益を期初の650億円から1850億円へ、上方修正した。その主因は、日本郵船と川崎汽船を含む大手3社で営むコンテナ船事業(Ocean Network Express)の利益の大幅な上振れ。
コロナ禍でコンテナ物流の混乱が長引く中で運賃が急騰。空前の利益につながっている。
公益財団法人 日本海事センター コンテナ運賃動向 より
今年1月の水準と比べるとやや下落しているが、引き続き空前の高水準が続いている。
アメリカでの旺盛な消費
アメリカでは新型コロナ対策として新たな給付金が2021年に入って配られ、また、新政府の肝いりで高水準の失業保険給付が行われ、働くより高い給付を受け取り、消費需要がさらに高まった。
旺盛な消費に応えるためにも在庫確保の動きが強まっている。
また、日本海事センターによると、日本や中国などアジア18カ国・地域からアメリカ向けのコンテナ輸送量は、前年同月比50.6%増の186.1万TEU(1TEUは20フィートコンテナ1個分の貨物量)となった。1~5月の累計でも、輸送量は前年同期比39.5%増を記録している。2020年の反動もあるが、家具や機械類、繊維製品、自動車部品、玩具などの主要品目がおしなべて大きく増加しており、輸送量の水準がかなり高い。
クリスマス商戦
これに加えて、クリスマス商戦を控えて、北米向けコンテナが列をなして出荷を待っている。9月になると荷動きがさらに活発になる。
船が空いていない
が、船がない。コンテナ船はあらかじめ定められた航路を運航しているが、スケジュールどおりの運航ができなくなっている。
新型コロナによって港湾労働者の出勤がままならなくなり、港湾機能が大幅に低下したためだ。港湾内には荷揚げしたコンテナが山積みになっている。
さらに、荷さばきが進まないためにコンテナ船が入港できず、1~2週間も「沖待ち」を強いられる船も急増した。2月にはアメリカ西海岸のロサンゼルス港やロングビーチ港では沖待ちのコンテナ船の数がピークに達した。この影響は西海岸だけでなく、東海岸の港湾にも渋滞をもたらした。
スエズ運河で座礁事故
3月下旬にはスエズ運河で大型コンテナ船が座礁し、運河を経由するアジア・ヨーロッパ間やアジア・北米東岸間の海上物流に1カ月以上にわたって影響が出た。北米東岸の港にも西岸の混雑を避ける荷物が増え始めていた時の出来事だった。まだ、記憶に新しい事故だ。
運賃の高騰局面は来年の春節まで続く
ワクチン接種が進んでコロナ禍が収束し、港湾や荷主のオペレーションが元に戻れば、平常化していくと想像される。
見通し立たず
ただ、それがいつごろになるかは不明。今後、クリスマスシーズンに向けて荷動きがさらに活発になる。コンテナ輸送の混乱は、クリスマスシーズンが過ぎた後で工場労働者が休みとなる2022年の春節あたりまでは続くとみられている。
再び上方修正
また、運賃が現状のような高水準で維持されるかどうかも不透明だ。日本の海運大手は2021年10~2022年3月期の業績を厳しめに見ているが、高い水準の運賃が続けば再び上方修正となる可能性が高い。
まとめ
商船三井(9104)は、再び上方修正となる公算が高い。もう楽しみでしかありません。
個人の感想です。
2021年8月26日株価
25日線が5日線に追いつくまで、株価は横ばいと予想。そこから第二弾が始まります。
個人の感想です。
大型船建造
コンテナ船社が相次いで大型船建造を発注しています。が、船建造は数年単位かかるもの、これから建造しても来年には間に合いません。が、将来的には、運賃は下がるでしょう。
それまでの間のお祭りです。
株式投資は自己責任で
株式投資は、さまざまなリスクを正しく認識したうえで、自分自身の判断と責任に基づいて行なわなければなりません。