株式投資

【旧NISA満期】5年経過後はどうする?新NISAへの「移管」と損しないための最適解

「気づけば旧NISA(一般NISA)で買った株が、もうすぐ5年目の満期を迎える……」

そんな方も多いのではないでしょうか。2023年までに一般NISAで投資した商品は、5年間の非課税期間が終了するとどうなるのか。

一番気になるのは、「そのまま新NISAに移せるの?」という点だと思います。

旧NISAから新NISAへの直接的な「ロールオーバー(移管)」はできるの?

結論から言うと、制度が別モノであるため、自動的な「ロールオーバー(移管)」はできません

今回は、旧NISAの満期を迎える商品をどう扱うべきか、サラリーマン投資家の視点で「損をしないための選択肢」を解説します。

選択肢は実質2つだけ

5年経過後の選択肢は、シンプルに以下の2つです。

何もしない(自動的に課税口座へ払い出し)

売却して、新NISAで買い直す(セルフ・ロールオーバー)

それぞれのメリット・デメリットと、注意すべき「落とし穴」を見ていきましょう。

1. 何もしない場合(課税口座へ移動)

手続きを何もしなければ、5年経過後の年末時点で、自動的に「特定口座(または一般口座)」に移されます。

メリット: 手間がかからない。新NISAの枠を消費しない。

デメリット: 以降の配当や売却益に税金(約20%)がかかる。

※【要注意】「取得価格」が書き換わります!
ここが最大の落とし穴です。課税口座に移る際、あなたが買った時の値段ではなく、「非課税期間終了時の時価」が新しい取得価格になります。

値上がりしていた場合: 今の高い価格が「取得価格」になるため、将来売る時の税金が安くなります(これはメリット)。

値下がりしていた場合(危険!): 低い価格が「取得価格」になります。

例: 100万円で買った株が、80万円に下がって課税口座へ移動した場合。 新しい取得価格は「80万円」です。その後、株価が100万円に戻って売却すると、実際はプラマイゼロなのに、税務上は「20万円の利益が出た」とみなされ課税されます

これ(損しているのに税金を取られる事態)を避けるため、含み損がある場合こそ、次の「買い直し」を検討すべきです。

2. 売却して、新NISAで買い直す

旧NISAで一旦売却し、その資金を使って新NISA(成長投資枠)で同じ商品を買い直す方法です。

メリット: 新NISAに移れば、そこから先は「無期限」で非課税になる。

デメリット: 新NISAの年間投資枠(成長投資枠240万円)を使う。

私たちのように高配当株などを長期保有して配当金を受け取り続けたい場合、課税口座に移して20%引かれ続けるのは大きなロスです。新NISA枠に移して「永久非課税」にするのが、資産形成上の正解と言えるでしょう。

結論:どっちを選ぶべき?
シンプルな判断チャートを作りました。

Q. 今年の新NISA「成長投資枠」は余っていますか?

YES → 【売却して買い直し】がおすすめ 年内に旧NISAを売却し、新NISA枠で買い直しましょう。これで非課税期間の「5年縛り」から解放されます。

NO → 【とりあえず課税口座へ】 無理に売る必要はありません。一旦課税口座に移し、来年以降、新NISA枠が復活したタイミングで順次移行していきましょう。

最後の注意点:年末ギリギリはNG!
「よし、買い直そう!」と思った方、カレンダーを確認してください。

株式の売買には受渡日(うけわたしび)というルールがあります。年末の最終営業日に注文しても、年内の取引としては扱われません。

年内に完了させるには、例年12月25日~26日頃までに約定させる必要があります。

(※証券会社によって異なるため、必ずご自身の日程を確認してください)

大切な資産を税金から守るためにも、早めのアクションをおすすめします!

(※)
楽天証券: 「一般NISAの非課税期間終了(満了)時の対応」
記述:「特定口座(または一般口座)へ移管(払出し)される場合、取得コストは『非課税期間満了時の年末最終営業日の時価』となります。」

まとめ

可能な限り新NISA枠へ「お引越し」

私も保有しているJT(2914)などの高配当株は、可能な限り新NISA枠へ「お引越し」させて、配当金をまるまる手取りにする戦略を進めています。
年末は忙しいですが、ここでの一手間が将来のリターンに直結しますよ。

株式投資は自己責任で

株式投資は、投資家が自己の判断と責任に基づいて行うものです。投資家は、自分の投資目的、投資に充てる資金、リスク許容度、投資に関する知識や経験などを考慮した上で、投資を行う必要があります。

株式投資には、投資元本の損失や利益の変動など、リスクが伴います。投資家は、投資によるリスクを自己の責任で評価し、自己の判断に基づいて投資を行う必要があります。

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