役職定年について
役職定年とは
役職定年とは、管理職に就いている従業員がある年齢に達すると管理職を外れる制度です。その後は一般職や専門職で業務を続けるので、退職するわけではありません。役職定年を実施する年齢については、各会社での決め方次第ですが、一般的に55歳を対象にしているケースが多いです。57歳、60歳の会社もあります。
役職手当
役職定年に伴い、役職手当がはく奪されることになるます。年収の2,3割でしょうか。これがなくなると家計にはかなりの痛手ですよね。一般職になれば、残業代が出るようになるとはいえ、役職手当は結構高額かと認識します。
また忘れちゃいけないのが賞与。賞与の計算方法には役職手当も入っていませんか。
- 一般社員は、基本給×支給率
- 管理職は、(基本給+役職手当)×支給率
何故必要なのか
昭和の頃の話で申し訳ないが、1986年までは定年退職年齢が55歳だった経緯があり、それが60歳延長を求められた。企業は膨らむ人件費負担を軽くするため、役職は55歳までだよとしたのが過去の経緯。
メリットとデメリット
メリット
55歳以降の人件費の抑制と管理職ポストの強制的な交替
デメリット
55歳以上社員の働く意欲。ますます窓際社員が。
役職定年とライフプラン
年金支給開始年齢が65歳、今後70歳まで延期しようという中、55歳での役職定年、年収減はかなりのインパクトです。人によっては、住宅ローンの残債、子供の教育費、親の介護問題等々様々抱えていらっしゃることでしょう。60歳では定年退職、再雇用可能だとしても再度年収が下がりますよ。
就業規則の確認
まずは、役職定年制度について自社の就業規則の確認をしましょう。一般の話はいいです。自社はどうなのか。そこからライフプランのシミュレーションです。スプレッドシートがあればできます。
業務の確認
退職するわけではありません。後任管理職の方とも話しあい、自分のプロジェクトをもちましょう。管理職だった時のようにアシスタントをしてくれる部下がいない中ではあらゆることを自分で処理する必要があって、覚えるべきことはたくさんあります。どうしても手がたりなければ、用意してもらえるよう管理職に申請しましょう。管理職でなくても、プチリーダーでも仕事はできます。
自分の市場価値を知っておきましょう
60歳では定年退職が待っています。再雇用可能だとしても再度年収が下がります。40%ダウン(高年齢雇用継続給付を受けて25%ダウンの水準)。ライフプランで収入が足りなければ、年収を上げる転職も視野となります。
注意しておきたいのは
就業規則に記載されていることは「知らなかった」ではすみません。事前にわかっていたでしょう。対策を考えましょう。間違っても「年収が30%下がる」のだから「仕事のアウトプットも30%下がってもいいや、下げてやる」って考えてはいけませんよ。自分の価値を自分で下げる必要はありません。