12月に入り、今年も残すところあとわずか。 本日は新NISAの成長投資枠で保有している「三菱商事(8058)」について、この1年間の値動きと、12月2日現在の状況を整理してみたいと思います。
結論から言うと、今年の三菱商事は「株主還元の本気度を見せつけた1年」でした。
決算ダイジェスト:2026年3月期 第2四半期
結論:数字は「踊り場」だが、株主還元と通期達成への自信は揺るがず。
業績の数字(前年同期比)
一見するとショッキングな数字が並びましたが、これは昨年のハードルが高すぎた(一過性の利益が多かった)ことの反動が主な要因です。
連結純利益: 3,558億円(前年同期比 約42%減)
前年(2025年3月期 2Q)が約6,180億円と非常に高水準だったため、比較すると大きく見劣りしますが、3,500億円規模の利益は巡航速度としては決して低くありません。
通期見通し: 7,000億円(据え置き)
「進捗率が約51%」と、ちょうど半分の地点で折り返しており、会社側は「計画通り」との認識を示しています。
セグメント別の明暗
資源価格の落ち着きや市況の変化により、部門ごとの好不調がはっきりしました。
好調(上方修正): 環境エネルギー、電力ソリューション
脱炭素関連や電力事業が底堅く推移し、見通しが引き上げられました。
苦戦(下方修正): マテリアルソリューション
市況悪化の影響を受け、見通しが引き下げられました。
資源(LNG・銅):
利益は減少しましたが、会社側は「戦略的な進展(拡張・再構築)」を強調しており、将来のキャッシュフローへの種まきは順調です。
新NISA勢にとっての「最重要ポイント」
株価が崩れなかった理由はここにあります。
配当金: 増配基調を維持(年間110円予想)
減益決算であっても「累進配当(減配しない)」の看板に偽りなし。
自社株買い: 継続実施中
株価の下支えとして機能しており、経営陣が株価(PBR)を強く意識していることが再確認されました。
総括
「爆発的な利益成長」のフェーズから、「安定して稼ぎ、着実に還元する」フェーズへ移行している印象です。 減益でも「通期予想維持」と「還元強化」をセットで出したことは、市場に対して**「今の株価水準は守る(むしろ割安である)」**という強いメッセージとなりました。
長期投資家としては、一時的な減益に動じず、配当と自社株買いによる株主価値の向上を享受し続けるのが正解と言えそうです。
今年1年の動きを総括
驚異の株価上昇:2,200円台からの飛躍
チャートを振り返ると、この1年のパフォーマンスの凄まじさが分かります。 52週安値(過去1年間の最安値)は2,257円。そこから現在の3,600円台後半まで、株価は大きく成長しました。
特にインパクトが大きかったのは、春に発表された**「最大1兆円」規模の自社株買い**でしょう。 「日本株の代表格として、株価を上げにかかる」という経営陣の強い意志が市場に伝わり、私たち個人投資家にとっても安心して保有し続けられる材料となりました。
「減益」のニュースと、それを打ち消す「増配」
順風満帆に見えた1年でしたが、11月の中間決算では少しヒヤリとする場面もありました。 市況の悪化などで中間純利益が約42%減と発表されたのです。 「これは株価が暴落するかも…」と身構えた方も多かったはず。
しかし、会社側はここで**「通期予想の据え置き」と、さらに「配当金の増額(年間100円→110円予想)」**を発表しました。 「一時的な利益の落ち込みがあっても、株主への還元は緩めない」という姿勢が評価され、株価は崩れることなく高値圏を維持しています。
2025年12月2日の株価:高値圏での強さ
そして本日、2025年12月2日。 三菱商事の株価は3,687円(10:00時点)前後で推移しており、前日比でもプラス圏で堅調な動きを見せています。
52週高値の3,778円が目前に迫る位置におり、市場全体の地合い(日経平均49,000円台)の良さも相まって、「年末に向けてもう一段高」を期待させてくれるチャート形状です。
まとめ:新NISAとしての結論
迷わず「ホールド」
短期的なニュースで上下することはあっても、累進配当(減配しない方針)を掲げ、実際に自社株買いと増配を断行する三菱商事は、新NISAの「長期保有・非課税メリット」を最大化してくれる銘柄の一つだと改めて感じました。
1株あたり110円の配当金が非課税で受け取れるのはやはり大きいです。来年も、この「商社の王様」の背中を頼もしく見守っていきたいと思います。
株式投資は自己責任で
株式投資は、投資家が自己の判断と責任に基づいて行うものです。投資家は、自分の投資目的、投資に充てる資金、リスク許容度、投資に関する知識や経験などを考慮した上で、投資を行う必要があります。
株式投資には、投資元本の損失や利益の変動など、リスクが伴います。投資家は、投資によるリスクを自己の責任で評価し、自己の判断に基づいて投資を行う必要があります。
また、投資に関する情報収集や分析は、投資家自身が行う必要があります。投資家は、情報収集や分析においても自己の責任を持ち、正確かつ適切な情報を入手し、投資の意思決定に役立てる必要があります。
以上のように、株式投資は投資家自身の自己責任で行うものであり、投資家は自己の判断と責任に基づいて投資を行う必要があります。